野外の調理と炊き出しの食中毒予防|つけない・増やさない・やっつける
キャンプの調理も、災害時の炊き出しも、冷蔵庫や流しが十分に使えない中で食事を作るという点では同じです。厚生労働省は、災害時はライフラインが途切れて食品を低温で保管できなくなるなど、食中毒が起こりやすい状況になると注意を呼びかけています。
基本は 3 つの原則
細菌による食中毒の予防は、細菌を食べ物につけない、ついた細菌を増やさない、食べ物や調理器具についた細菌をやっつける、の 3 つが原則です。ウイルスは食品の中では増えないので「増やさない」は当てはまらず、調理場に持ち込まない・広げない・つけない・加熱してやっつける、の 4 つが原則になります。
温度の目安(厚生労働省)
| 場面 | 目安 |
|---|---|
| 加熱 | 中心部の温度が 75℃ で 1 分間以上 |
| 残った食品の温め直し | 75℃ 以上 |
| 冷蔵庫・冷凍庫(ふだん) | 冷蔵庫は 10℃ 以下、冷凍庫は −15℃ 以下。詰め込みすぎず 7 割程度 |
水が足りないときの手の衛生
農林水産省は、調理・盛り付け・配膳の前は流水と石けんで十分に手を洗うことを基本としたうえで、水が十分に使えないときの手順を示しています。
- 手指の見える汚れを、おしぼりやウエットティッシュなどでしっかり拭き取る。
- アルコール消毒剤を手指に十分にすり込む。
- 清潔な使い捨て手袋を着ける。
手袋をアルコールで消毒して繰り返し使うことは避けます。
炊き出しで気をつけること
- できるだけ加熱した食事を出し、生ものは避ける(農林水産省)。
- 食べ残しや、長い時間室温に置いた食品は、もう一度出さない(同)。
- おにぎりは使い捨て手袋やラップを使い、ご飯に直接触れずに握る。過去に避難所で、おにぎりが原因の黄色ブドウ球菌による食中毒が起きたことがあります(同)。
- 下痢や発熱のある人、手指に傷がある人は、調理や配付をしない(厚生労働省)。
- 避難所などでは、出された食事は取っておかず、できるだけ早く食べる(同)。
なお、内閣府と厚生労働省は、事業者が被災者に食事を提供する行為は、キッチンカーによるものを含め、一般には「営業」とは判断されないとの考えを示しています。そのうえで、災害時は食中毒が起こりやすいので、食事を出す人も食べる人も衛生管理に一層の注意が必要としています。
食器と調理器具
消毒の方法として、熱湯をかける、煮沸する、薄めた塩素系漂白剤につける、などがあります。水が使えないときは、食器にラップなどを巻いてから使い、使った後はラップを捨てます(農林水産省)。
キャンプに置き換えると
ここからはこのサイトからの提案です。生肉用のトングやまな板を分け、焼き上がりは中心まで火が通ったかを確かめます。クーラーボックスはなるべく開け閉めを減らし、日の当たらない場所に置きます。食べきれる量だけ作るのが、いちばん確実な予防です。
ふだんは
キャンプ飯では、生肉を扱う道具を分け、中までしっかり加熱し、作ったらすぐに食べます。水が少ない場面での手の清潔の保ち方も、キャンプで練習できます。
もしもの時は
冷蔵庫が使えない避難生活や炊き出しでも、同じ手順で食中毒を防げます。
出典と調べた日
- 厚生労働省「家庭での食中毒予防」 (2026-10-31 に確認)
- 厚生労働省「災害時の食中毒予防のために」 (2026-10-31 に確認)
- 農林水産省「避難所・炊き出しでの食中毒予防について」(2026年8月3日更新) (2026-10-31 に確認)
- 内閣府・厚生労働省 事務連絡「災害時の避難所における炊き出しに関する取扱いについて」(令和6年11月1日・PDF) (2026-10-31 に確認)