カセットこんろとボンベの安全|大きな鍋で覆わない、2台並べない、約7年で使い切る

カセットこんろは、キャンプでも、停電やガスが止まったときにも使える熱源です。農林水産省は、カセットボンベを1人1週間あたり約6本備えるよう勧めています。ただしNITE(製品評価技術基盤機構)によると、2014年度から2023年度までの10年間に通知されたカセットこんろの事故は91件で、調査を終えたもののうち約4割は使う人の誤使用や不注意が原因と推定されています。東京都の調査では、東京消防庁の管内だけでカセットこんろの火災は年間約30件程度です。

ボンベが破裂するしくみ

NITEは、ボンベが熱せられると、中の液化石油ガスが液体から気体になろうと膨らみ、内圧が限界を超えると破裂すると説明しています。資料が原因として挙げるのは、大きな鍋や鉄板から返ってくる熱(放射熱)や、周りにこもった熱です。

NITEの再現実験では、こんろを2台横に並べて鉄板をのせて点火すると、8分34秒後に片方のこんろの安全装置が働いて火が消えましたが、12分55秒後にそのこんろのボンベが破裂しました。

やってはいけないこと

してはいけないこと出典
こんろを覆うような大きな鍋や鉄板を使う。ごとくからはみ出す大きな鍋も東京消防庁・NITE
こんろを2台以上並べて使う東京消防庁
セラミック付きの焼き網や陶板プレートなど、熱をためる物を使う東京消防庁
炭や練炭の火おこしに使う東京消防庁・NITE
風よけのつもりで、ボンベの周りをレンガやブロックで囲うNITE
ごとくを裏返しにしたまま点火する(火が内側に回ってボンベを熱する)NITE
電磁調理器の上で使う・しまう東京消防庁

東京消防庁は、高校の文化祭でこんろを2台並べて鉄板をのせ、焼きそばを作っていたところボンベが爆発し、15名がけがをした例を挙げています。キャンプで大きな鉄板や大鍋を使いたいときは、こんろではなく、たき火台や炭火の設備を使いましょう(このサイトからの提案)。

使う前に

  • ボンベの切り込み(凹)を、こんろのボンベ受けのガイド(凸)に合わせて装着する。誤った装着はガス漏れや火災の原因(東京消防庁)。
  • 装着したあと、異音や異臭がしたら、すぐにボンベを外して使うのをやめる(NITE)。
  • 周りの家具、壁、カーテンなどから15cm以上離す(東京消防庁)。屋外でも狭い場所では換気に注意する(同)。
  • 炭の火おこしにガストーチを使うときは、ボンベを立てた状態で点火し、使用中に傾ける角度は、取扱説明書に指示がなければ45度以内を目安にする(NITE)。

しまうときと使用期限

  • 使い終わったらボンベはこんろから外し、40℃未満の場所に保管する(NITE)。夏の車内、炎天下の砂浜や河原に置かない(NITE)。
  • ガスの出が悪くなっても、ボンベを温めない(NITE)。
  • ボンベは製造後約7年以内に使い切る。こんろは製造後約10年以上たったら買い替えを考える(東京消防庁)。
  • 国民生活センターは、製造から長い時間がたったり保管の環境が悪かったりすると、内部のパッキンが劣化してガス漏れが起きる可能性があり、その劣化は外から見えないとしています。製造年月日が分からないものは使わないよう呼びかけています。

「約7年」は目安で、法律で決まった期限ではありません。ローリングストックと同じように、キャンプで古いものから使っていくと期限を切らしません(このサイトからの提案)。

捨てるとき

東京消防庁は、空になったボンベにも微量のガスが残っているので、火が消えるまで使い切ってから、地域の決まりに従って捨てるよう呼びかけています。ガスが残ったまま捨てると、ごみ収集車や焼却施設で火災の原因になります。台所のシンクで穴を開けたところ、漏れたガスがこんろの火に引火して爆発した例もあります。

穴を開けるかどうかは市区町村によって違います。環境省は、穴を開けずに出す方向が望ましいと周知しています。住んでいる市区町村のごみの出し方を確かめてください。

停電のときの使い方や一酸化炭素の注意は、停電への備えとテントや車の中で火を使わないにまとめています。

ふだんは

キャンプでこんろを使うたびに、鍋の大きさ、周りに熱がこもっていないか、ボンベの製造年を確かめます。

もしもの時は

停電で何日もこんろを使う場面でも、ボンベを過熱させず、安全に調理を続けられます。

出典と調べた日

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