災害時の栄養|主食に偏らない備え(たんぱく質・野菜・水分)
備蓄というと、ご飯やパン、カップめんなど主食を思い浮かべがちです。農林水産省は、災害の直後は炭水化物ばかりになりがちだとしたうえで、炭水化物はとても重要だが、栄養のバランスを考えないと体調不良や病気になる可能性があると注意しています。
過去の災害で起きたこと
- 大きな災害のときは、野菜不足からビタミン、ミネラル、食物繊維などがとれず、便秘や口内炎に悩んだという声があった(農林水産省)。
- 東日本大震災から1か月たっても、避難所の食事はおにぎりやパンなどの主食が中心で、肉・魚などのたんぱく質や野菜などの副食は十分ではなかった(厚生労働省、平成23年4月)。
- 何かしらのおかずが配られた避難所では、栄養状態が良かったことが分かっている(国立健康・栄養研究所)。
主食のほかに備えたいもの(農林水産省)
| 分類 | 例 |
|---|---|
| 主菜(たんぱく質) | ツナ、サバ、イワシ、サンマなど魚の缶詰、コンビーフ、牛肉の大和煮、焼き鳥などの肉の缶詰、豆の缶詰、レトルト食品、乾物 |
| 副菜(ビタミン・ミネラル・食物繊維) | 日持ちする野菜(じゃがいも、たまねぎ、かぼちゃなど)、野菜の缶詰、野菜ジュース、のり・ひじき・切干大根・わかめなどの乾物、インスタントみそ汁 |
| 果物 | 日持ちする果物、果物の缶詰、果物ジュース、ドライフルーツ |
農林水産省は、缶詰は長く保存できるうえ、手軽にたんぱく質をとることができ、経済的なのでおすすめだとしています。不足しがちなたんぱく質・ビタミン・ミネラル・食物繊維をとれるよう、バランスよく備えることを勧めています。
水分を控えない
国立健康・栄養研究所は、避難生活では飲み水が少ないうえ、トイレの数が限られるために水分を我慢して脱水になる例がみられるとしています。水分が足りないと、脱水症、エコノミークラス症候群、低体温症(夏は熱中症)、持病の悪化などのリスクが高くなります。トイレの備えがあれば、安心して水を飲めます(災害時のトイレの備え)。
避難所の栄養の目安
厚生労働省は平成23年4月に、避難所の食事の計画のための当面の目標として、被災後3か月までの1人1日あたりの栄養の参照量を示しました。エネルギー2,000kcal、たんぱく質55g、ビタミンB1 1.1mg、ビタミンB2 1.2mg、ビタミンC 100mgです。ただし、これは避難所全体の食事を計画するための目安で、一人ひとりの栄養管理に使うものではないと書かれています。
好みの味を選んでおく
農林水産省は、いざという時に苦手な味のものばかりだと、心まで疲れてしまうとしています。キャンプのごはんに缶詰や乾物を使ってみると、家族の好みが分かり、そのままローリングストックになります(このサイトからの提案)。
乳幼児や高齢者、食物アレルギーのある家族の備えは配慮が必要な家族の食の備え、期限の見方は賞味期限と消費期限をご覧ください。
ふだんは
ふだんの買い物で、魚や肉の缶詰、乾物、日持ちする野菜を少し多めに買い、古いものから食べます。
もしもの時は
避難生活が長引いても、主食だけに偏らず、たんぱく質と野菜、水分をとって体調を保てます。
出典と調べた日
- 農林水産省「災害時に備えた食品ストックガイド(3)備蓄食品の選び方」 (2026-10-31 に確認)
- 農林水産省「災害時に備えた食品ストックガイド(6)」 (2026-10-31 に確認)
- 厚生労働省「避難所における食事提供の計画・評価のために当面の目標とする栄養の参照量について」(平成23年4月21日・PDF) (2026-10-31 に確認)
- 国立健康・栄養研究所「避難生活で生じる健康問題を予防するための栄養・食生活について」(PDF) (2026-10-31 に確認)