付録 確かめられなかった説・注意が必要な説
このページは「キャンプ指導の基礎」の一部です。キャンプ指導の一般的な知識をまとめたもので、特定の資格講習の公式教材ではありません。本文の[番号]は、ページの下の「出典と調べた日」の番号です。
このテキストのもとになった講義の内容のうち、公開されている資料と食い違ったもの、確かめられなかったものと、本文での扱いを一覧にしました。数字や「初めて」「最初」といった言い方は、言い伝えのまま広まりやすいので、指導の場で使う前に出典を確かめる習慣をつけましょう。
このテキストのもとになった講義の内容のうち、公開情報と食い違ったもの、確認できなかったものを挙げます。
| 内容 | 確認の結果 | 本文での扱い |
|---|---|---|
| 日本で最初の組織キャンプは「1911 年、YMCA」 | 日本 YMCA 同盟は、1920 年の大阪 YMCA(六甲・南郷山)のキャンプを「日本における最初のキャンプ」としている [3]。日本キャンプ協会の資料は、1916 年のボーイスカウトの野営と 1920 年の大阪 YMCA のキャンプの記録を並べている [2]。1911 年の記述は見つからなかった | 1916 年・1920 年の記録を載せた |
| 1955 年に文部省が初めて「野外活動」という語を用いた | 確認できなかった(1953 年『キャンプ指導の手引き』、1956 年『野外活動に関する安全指導の手引き』の刊行は確認できた [2]) | 確認できたものだけ載せた |
| L. B. Sharp が "outdoor education" という語を初めて使った | 1943 年の論文は実在するが、それより前の使用例も指摘されており、「初めて」とは言えない | 「考え方を広めた人物」とした |
| オーバーシュートは「1980 年代後半から」 | WWF ジャパン(2015 年のプレスリリース)と Global Footprint Network の現在の資料は「1970 年代初頭」としている [14b][15]。古い版の資料・算出方法による記述の可能性がある | 現在の資料に合わせた |
| 言語によるコミュニケーションは「全体の 2〜3 割」 | 研究の数値は、限られた条件(感情・態度の伝達など)から出たもので、コミュニケーション全般の割合ではない [37] | 数値を一般化しない書き方にした |
| 「Think globally, act locally」の出典 | 諸説あり(Patrick Geddes、René Dubos、David Brower など)、確定できない | 「諸説あり」とした |
| キャンプや釣りのために刃物を運ぶことは銃刀法上「正当な理由」に当たる | 警察の公開資料で、キャンプ・釣りについて直接述べたものは見つからなかった | 運び方の注意だけを書いた |
| 1975 年→2018 年に世界の CO2 排出量が約 2.2 倍 | 公的な資料で 1975 年の値を確認できなかった | 数値を載せなかった |
| 子どもが先生に望むことの学年別調査の数値 | 元の調査報告書が公開されているか確認できなかった | 一般的な傾向として書き、数値は載せなかった |
ふだんは
キャンプの言い伝えや「最初」「必ず」といった言葉を聞いたら、出典を確かめる習慣をつけます。
もしもの時は
災害のときに流れる情報も、出どころを確かめてから人に伝えられます。
出典と調べた日
- [2] 日本キャンプ協会「日本のキャンプの歴史」 (2026-10-31 に確認)
- [3] 日本 YMCA 同盟「YMCA キャンプ 100 年」 (2026-10-31 に確認)
- [14b] WWF ジャパン「アース・オーバーシュート・デー」関連のプレスリリース (2026-10-31 に確認)
- [15] Global Footprint Network "Earth Overshoot Day: Media Backgrounder" (2026-10-31 に確認)
- [37] Albert Mehrabian 本人のサイト(言語・非言語の割合についての注意書き) (2026-10-31 に確認)