第3章 自然との関わり方

このページは「キャンプ指導の基礎」の一部です。キャンプ指導の一般的な知識をまとめたもので、特定の資格講習の公式教材ではありません。本文の[番号]は、ページの下の「出典と調べた日」の番号です。

人間と自然の共存、自然への影響を小さくする「ミニマムインパクト」と Leave No Trace の 7 つの原則、焚き火(直火)の考え方を学びます。

このページで学ぶこと

  • 自然の中で活動する意味と、痕跡を残さない考え方
  • Leave No Trace の 7 つの原則
  • 焚き火の文化と、直火の問題

3.1 人間と自然の共存

自然を守ることだけを考えれば、人が自然に踏み入らないほうがよいかもしれません。しかし人は自然から多くの恩恵を受け、自然のなかで過ごすことで豊かになり、成長します。野外教育は、自然のなかに入らなければ得られない学びを大切にする教育です。

だからこそ、自然に入るときは痕跡を残さないこと、限りある資源を無駄にしないことが大切です。「自然のなかにお邪魔させてもらっている」という意識を持ちましょう。キャンプは「生活」なので、その生活をできるだけシンプルにする発想も役立ちます。

3.2 ミニマムインパクトと Leave No Trace

自然環境が受け入れられる利用や負荷には限りがあります(環境許容量、キャリング・キャパシティ)。キャンプでは、環境への影響をできるだけ小さくする(ミニマムインパクト)ことが求められます。その具体的な行動の指針が Leave No Trace(リーブ・ノー・トレース、LNT)です。

日本の Leave No Trace Japan は、7 つの原則を次のように示しています [16]。

  1. 事前の計画と準備
  2. 影響の少ない場所での活動
  3. ゴミの適切な処理
  4. 見たものはそのままに
  5. 最小限の焚き火の影響
  6. 野生動物の尊重
  7. 他のビジターへの配慮

ゴミを持ち帰るだけでなく、生態系への配慮まで含んだ考え方です。

3.3 焚き火(直火)について考える

火は人間の文化にとって大切なものです。

  • 生活の火:明かり・暖・調理
  • 祭りの火:五穀豊穣を祈る祭りなど
  • 心の火:焚き火を囲むと気持ちが落ち着き、人が集まる

一方で、地面で直接火を焚く「直火」は、土壌や植生へのダメージ、燃え残りやゴミ、マナー違反といった問題につながります。環境省は国立公園の利用上のマナーとして、植生の破壊・野生動物の誘引・山火事を防ぐため、キャンプやたき火は決められた場所以外ではしないよう呼びかけています [17]。

  • 焚き火は、キャンプ場のルールに従い、決められた場所で行う。
  • 焚き火台を使い、地面への影響を減らす。
  • 子どもには、火の意味(文化としての火)と、環境への影響の両方を伝える。

考えてみよう

  1. 7 つの原則のうち、いちばん守りにくいと思うものはどれですか。どうすれば守れるでしょう。
  2. 子どもに「火の意味」と「環境への影響」の両方を伝えるとしたら、どんな言葉を使いますか。

このサイトの関連する記事

ふだんは

キャンプのごみは持ち帰り、たき火は焚き火台を使って決められた場所でします。

もしもの時は

避難生活でも、限られた資源を無駄にしない工夫と、周りへの配慮が暮らしを支えます。

出典と調べた日

誤りを見つけたら、お問い合わせの種類「記事の誤りの連絡」でお知らせください。確かめて直し、更新履歴に記録します。