重い物を持つ・運ぶ|水・備蓄・持ち出し袋で腰を痛めない

備えには重い物がつきものです。2リットルの水が6本入った箱は、水だけで12kgあります(このサイトの計算)。断水すれば給水所から水を運び、避難するときは持ち出し袋を背負います。重い物の持ち方は、仕事で重い物を扱う人のために厚生労働省がまとめた「職場における腰痛予防対策指針」が参考になります。

この指針は、事業者が働く人に行わせる作業についての指針です。家庭の備えに直接求めているものではありませんが、体の使い方の考え方はそのまま役に立ちます。

持ち上げ方(厚生労働省の指針)

  1. 近づく・低くする:できるだけ体を物に近づけ、重心を低くする姿勢をとる。
  2. 腰を落とす:床から持ち上げるときは、片足を少し前に出し、膝を曲げ、腰を十分に降ろして荷物を抱え、膝を伸ばして立ち上がる。指針の解説は、腰ではなく脚・膝の力で持ち上げ、膝を伸ばしたまま上体を曲げる前屈の姿勢をとらないよう説明しています。
  3. 息を整える:持ち上げるときは呼吸を整え、腹圧を加える。
  4. ひねらない:持ったあとは背を伸ばし、腰のひねりを少なくする。解説は、重い物を持ったまま体をひねる動作は腰への負担がきわめて大きく、腰痛が起きやすいとしています。

重さの目安

項目指針の内容
男性(満18歳以上)人力だけで扱う重さは、体重のおおむね 40%以下になるよう努める
女性(満18歳以上)さらに男性が扱える重さの 60%位まで(解説は、一般に女性の持ち上げる能力は男性の 60%位としています)
目安を超えるとき身長差の少ない 2 人以上で、それぞれに重さが均等にかかるように
そもそも台車や補助の器具で人の負担を軽くするのが原則。大きい・重い荷物は小分けにする

たとえば体重 60kg の男性なら 24kg、その 60%の女性の目安は約 14kg になります(このサイトの計算)。

ただし、この「体重の何%」という決め方には異論もあります。労働安全衛生総合研究所は2024年のコラムで、この指針の科学的な根拠は十分に検討されておらず、体重の割合で重さの上限を決める方法は世界的にも珍しいと指摘しています。そのうえで、腰の高さほどの台の上で扱う、持ち上げるときにしっかり荷物を体に引き寄せる、といった対策が有効だとしています。数字は「ここまでなら大丈夫」という線ではなく、目安として読んでください。

持ち出し袋の重さ

政府広報オンラインは、持ち出せる量を、成年男性で約15kg、成年女性で約10kg、こども・高齢者で約6kgと想定しておくよう勧めています。背負う袋は、両手が使えるリュックサックが向いています(東京消防庁)。

警視庁は、リュックの詰め方ひとつで軽く感じ、楽に運べるとして、重い物は上の背中側に、軽い物は下の外側に詰めるのがコツだとしています。登山のザックの詰め方と同じ考え方です。

ふだんの練習(このサイトからの提案)

  • 水の箱や米袋を買って運ぶときに、上の持ち方を意識する。
  • キャンプでは、薪やクーラーボックスを 1 人で無理に運ばず、2 人で持つか、キャリーカートを使う。
  • 持ち出し袋を一度背負って、近くの避難所まで歩いてみる(避難所まで歩ける体をつくる)。
  • 脚とおなかの筋力は、山で転ばない体をつくるの運動が役に立ちます。

腰に痛みがある人、持病のある人は、無理をせず、医師に相談してください。

ふだんは

水の箱や薪を運ぶときに、膝を曲げて腰を落とし、荷物を体に引き寄せて持つ練習をしておきます。

もしもの時は

給水所から水を運ぶ、持ち出し袋を背負って歩く、がれきを片付けるときに、腰を痛めず動けます。

出典と調べた日

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