防災スポーツ・防災運動会|種目の例と、地域で開くときの注意

防災訓練に人が集まりにくい、という悩みはよく聞かれます。板橋区の訓練メニューは、防災訓練という名前では参加してもらえない人にも、レクリエーションとして参加してもらえる内容を考えるよう勧め、地域の運動会やお祭りの一部として行う方法と、防災運動会や防災キャンプのような独自のイベントを開く方法の 2 つを挙げています。

防災運動会とは

大田区は、防災運動会を「地域のイベントに防災の要素を取り入れた競技を加えて、大人から子供までが楽しみながら防災を学ぶ試み」と説明しています。防災運動会としてイベントを開かなくても、地域のイベントに防災の競技を一つでも加えれば、立派な防災運動会になる、としています。

種目の例

種目内容身につく動き(このサイトの整理)
バケツリレーバケツで水を運び、水槽を早く満たしたチームの勝ち(高知東高校の体育祭)。水が用意できなければ、水の代わりにボールを運ぶ(川口市)初期消火、協力
毛布担架リレー・担架搬送リレー毛布を担架の代わりにして人を運ぶ速さを競う(川口市)。毛布と棒で簡易担架を作り、重しを落とさず運ぶ(西宮市の小学校)けが人の搬送
防災借り物競走お題(懐中電灯、新聞紙など)の防災グッズを持ってゴールを目指す(川口市)持ち出し品の知識
火事だー!大声競走大田区の競技例の一つ周りに知らせる
備蓄準備競走大田区の競技例の一つ備蓄の知識
土のう積み土のう積みレース(留萌の防災運動会)水害への備え
防災クイズ・非常食の試食防災クイズ、防災障害物リレー、防災グッズ競争(北見の防災運動会)知識、備蓄の味見

大田区は、競技に使う資機材の一部を貸し出しています。住んでいる自治体の防災担当課に、同じような貸し出しがないか聞いてみましょう。

スポーツ庁の「PLAY BOSAI」

スポーツ庁は、体を動かす複数のミッションに挑戦しながら「判断力・行動力・協力意識」を自然に身につける体験型の防災教育プログラム「PLAY BOSAI」を開発しています。従来の防災訓練と違い、スポーツの競技性やゲーム性を取り入れて参加者の意欲を高め、記憶に残る学びにするとしています。令和 7 年度時点の種目の例は次のとおりです。

種目内容(スポーツ庁)
避難所シャトルラン各避難所が何を必要としているかを確かめ、物資を正しく運び終えるまでのタイムと正確さを競う
防災リュック玉入れ3m ほどの高さに口を大きく開けた防災リュックを置き、玉を投げ入れる
防災スクワットチャレンジスクワットをしながら、災害時を想定した防災ポーズをとる
非常持出袋 ウエイトチャレンジ運べる重さを正しく見積もる力と、荷物を背負って安全に移動する力を鍛える
くぐれ!スモークロードバーやネットのある 10m ほどの区間を、低い姿勢でかがみながら進むタイムを競う
津波の速さを体感しよう!5m スプリント走5m を全力で走り、タイムを計る
水害バランス・キープ浸水したときを想定し、足元が不安定な中で足場を選び、姿勢を保てるかを測る

スポーツ庁は、詳しいマニュアルなどは今年度開発する予定としています。2026 年 3 月には、J リーグの浦和レッズの試合会場でも PLAY BOSAI のイベントが開かれました。

民間のプログラム「防災スポーツ®」

「防災スポーツ」という言葉は、株式会社シンクの登録商標でもあります(笹川スポーツ財団のプレスリリースの注記)。同社のプログラムは、内閣官房の国土強靱化の民間の取組事例に、「防リーグ(体験)」と「防トレ(対策)」からなる体験型の防災学習プログラムとして載っています。2018 年 10 月の「豊洲EXPO」では、2 日間で 1,286 人が参加しました。2026 年 10 月には山梨県南部町が、笹川スポーツ財団と組んで、この種目を地域のイベントに取り入れています。このサイトでは、運動会の形で防災を学ぶ取り組み全体を「防災運動会」と呼んでいます。

実施の例

例主催・協力
高知県立高知東高校の体育祭(2005 年)学校。1 チーム 12 名のバケツリレー
留萌の防災運動会(平成 24〜26 年)留萌建設協会二世会と留萌市。簡易担架リレー、バケツリレー、土のう積みレース
北見の防災運動会(2025 年 4 月)北見青年会議所。防災クイズ、防災障害物リレー、防災グッズ競争
西宮市 高木北小学校(2025 年 11 月)西宮市の防災危機管理課と関西学院大学のゼミ。毛布と棒の簡易担架
かめおか防災運動会(2026 年 9 月に予定と発表)亀岡市。避難所開設競争、防災トリアージ玉入れなど
南部町(2026 年 10 月)南部町教育委員会と笹川スポーツ財団

開くときの安全の注意

  • 土のうは 1 つ約 5kg。持ち上げるときは腰痛などに注意する(墨田区)。持ち方は重い物を持つ・運ぶ。
  • 担架やリヤカーで運ぶのは、原則としてダミー人形などにする(墨田区)。
  • バケツの水は入れすぎない(5〜6 分目くらい)。向かい合わせに並ぶと安全確認が背中越しになって難しくなる(恵那市)。
  • 水が用意できない場所では、ボールで代用できる(川口市)。
  • 小さな子どもは保護者と一緒に参加してもらう、動きやすい服装と靴で来てもらう(このサイトからの提案。実施例の案内にも同じ注意が見られます)。
  • 暑い時期は熱中症に注意する(熱中症警戒アラートと暑さ指数)。

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ふだんは

地域の運動会やお祭りに、防災の競技を一つ加えてみます。子どもも大人も、遊びながら運ぶ・助ける動きを覚えられます。

もしもの時は

災害のときに、毛布で担架を作る、バケツで水を運ぶ、低い姿勢で煙から逃げるといった動きを、体が覚えています。

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