ローリングストックの始め方|ふだんの食品で、家族の備えをつくる

食品の備えは、押し入れの奥にしまい込む「非常用の箱」だけではありません。農林水産省の手引きは、家庭の備蓄を特別なものではなく、ふだんの暮らしの一部として無理なく続けることをすすめています。その中心にあるのが「ローリングストック」です。

ローリングストックとは

ふだん食べている食品を少し多めに買っておき、賞味期限の古いものから使い、使った分を買い足していく方法です。こうすると、家にはいつも一定の量の食品が残ります。手引きは、ふだんの買い物の範囲で費用も時間もかからず、置き場所を少し増やすだけで始められる点を挙げています。

手引きは、主に災害時に使う「非常食」と、ふだん使って災害時にも使える「日常の食品」の 2 種類を、バランスよく備えることをすすめています。外出中の災害に備えて、飲み水やチョコレートなどを持ち歩くことにも触れています。

どれだけ備えるか

手引きによると、過去の災害では、電気・水道・ガスの復旧に 1 週間以上かかった例が多くみられます。支援の物資が 3 日以上届かないことや、店で 1 週間ほど食品が手に入らないことも想定されています。そのため、最低 3 日分〜1 週間分 × 家族の人数の備えが望ましいとされています。

お住まいの地域の状況によっては、2 週間分など多めに備えることも大切です。地域の災害のリスクは、国土交通省のハザードマップポータルサイトで調べられます。家族の人数と日数から水と食事の回数を出すには、家族の備蓄量の計算が使えます。

始め方の 4 つの手順

  1. 家にある食品を確かめる。冷蔵庫・戸棚・押し入れに、いま何がどれだけあるかを見ます。
  2. 何をどれだけ持つかを決める。栄養のバランス、家族の人数、好みから決めます。
  3. 足りないものを買い足す。一度にそろえず、ふだんの買い物のついでで構いません。
  4. 期限の前に食べて、また買い足す。これを繰り返すのがローリングストックです。

何をそろえるか

手引きは、災害の直後は炭水化物ばかりの食事になりがちで、野菜が足りずに便秘や口内炎に悩んだという声があったことを紹介しています。主食だけでなく、たんぱく質・ビタミン・ミネラル・食物繊維がとれるように組み合わせます。

分類例(手引きに挙がっているもの)
主食米・パックご飯、乾麺・即席麺、餅、缶詰のパン
主菜(たんぱく質)魚や肉の缶詰、レトルト食品、かつお節などの乾物
副菜(野菜・海藻)日持ちする野菜(じゃがいも・たまねぎ・かぼちゃなど)、野菜の缶詰・ジュース、のり・ひじき・切り干し大根などの乾物、インスタントのみそ汁
果物・乳製品果物の缶詰、ドライフルーツ、ロングライフ牛乳、スキムミルク
そのほか調味料、菓子、ふりかけ・ジャムなど

手引きは、非常食の味もさまざまなので、ふだんから試して好みの味を備えておくことをすすめています。災害が起きた当日の分としては、水 1 リットルと、調理のいらない食事 3 食を、持ち出し用の袋に入れておく例を挙げています。

水と熱源

  • 水:1 人 1 日 3 リットルが目安で、最低 3 日分〜1 週間分の備えが望ましいとされています。湯せんや、食品・食器を洗う水は、これとは別に要ります。
  • 水道水を備えるとき:ふたのできる清潔な容器に口元いっぱいまで入れ、しっかり閉めて、直射日光を避けた涼しい場所に置きます。塩素の効果で、飲み水として使えるのは 3 日程度です。
  • 長期保存の水:賞味期限が 5〜10 年のものがあり、通常のミネラルウォーター(約 2 年)より長く持ちます。
  • 熱源:お湯が沸かせると、食べられるものの幅が広がります。手引きは、カセットこんろのボンベを 1 人 1 週間あたり約 6 本としています。使用期限の目安は、ボンベが約 7 年、こんろが約 10 年です。

しまい方のこつ

  • 毎日のように使う食品は台所に置き、ローリングストックで回します。たまにしか使わないものは、押し入れやクローゼットへ。
  • 中身が見える箱に入れ、側面に賞味期限を書いておきます。買い足したものは奥に入れ、手前から使います。
  • 重いものは下、軽いものは上に。落ちてけがをしないようにするためです。
  • 水は量が多いので、台所・寝室・リビングなどに分けて置いても構いません。

配慮が必要な家族がいるとき

乳幼児、高齢の方、食べる機能が弱くなった方、慢性の病気や食物アレルギーのある方がいる家庭は、農林水産省の「要配慮者のための災害時に備えた食品ストックガイド」もあわせてご覧ください(食品ストックガイドのページから開けます)。

ふだんは

ふだん食べている缶詰やレトルト食品、乾物を少し多めに持ち、古いものから食べて、食べた分を買い足します。好みの味を探すことも、備えの一部です。

もしもの時は

店に食品が並ばない日が続いても、家にある食べ慣れた食品で、栄養のかたよりを抑えながら過ごせます。

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