実技1 装備の案内

このページは「キャンプ指導の基礎」の一部です。キャンプ指導の一般的な知識をまとめたもので、特定の資格講習の公式教材ではありません。本文の[番号]は、ページの下の「出典と調べた日」の番号です。

子どものキャンプの個人装備を保護者に案内するコツ、1 泊 2 日のテント泊の持ち物の考え方、健康保険証の扱い、子どものリュック、海のプログラムの装備とライフジャケット、団体の装備の一覧の作り方、雪洞での火の扱いを学びます。

このページで学ぶこと

  • 保護者に装備を案内する 3 つのコツ
  • 持ち物と「なぜ必要か」
  • 健康保険証とマイナンバーカードの扱い
  • ライフジャケットの確かめ方と、雪洞で火を使わない理由

個人の装備の案内は、保護者に向けて書く

子どものキャンプの個人装備を実際にそろえるのは、子どもではなく保護者です。キャンプの経験がない保護者も少なくありません。案内のコツは 3 つです(このサイトからの提案)。

  1. しおりで知らせる:プログラムと持ち物の一覧を載せた「しおり」を、説明会より前に届けて目を通してもらう。
  2. 詳しく、理由も添える:言葉で伝えにくい物は図や写真で。どんな店で買えるかも書く。「軍手は木綿の物を。化学繊維は火で溶けることがあるため」のように理由を一言添えると、代わりの品を選ぶときに迷わない。
  3. 荷造りは子どもと一緒に:キャンプ中に荷物を出し入れするのは子ども本人です。持ち物の一覧にチェックを入れながら一緒に荷造りしてもらいます。自分のことを自分でするのは、自然体験と同じくらい大切な体験です。

1 泊 2 日のテント泊の持ち物の考え方

テント・寝袋・食器を主催者が用意する場合の例です(このサイトの整理)。

分類例理由・注意
体を守る服長袖・長ズボン、帽子、防寒着作業でのけが、虫刺され、かぶれ、日焼けを防ぐ。夏でも朝夕は冷える
雨具上下に分かれた雨具、折りたたみ傘晴れても必要。すその長いレインコートは活動に向かない
手を守る木綿の軍手火や刃物を使う作業に欠かせない
明かりヘッドランプと予備の電池両手が空く。点くかを家で確かめてもらう
着替えと日用品着替え、下着、タオル、歯みがきセット、ハンカチ・ティッシュ、汚れ物入れの袋汗をかきやすい子は多めに。すべてに名前を書く
飲み物と食べ物軽い水筒、初日の昼食食べた後に捨てられる容器だと帰りの荷物が減る
健康出発前の体調の記録、毎日飲んでいる薬、保険の情報薬の飲み方を主催者に伝えてもらう

健康保険証の扱い:2024 年 12 月 2 日以降、従来の健康保険証は新たに発行されなくなり[1]、マイナ保険証を持たない人には「資格確認書」が交付されています[1]。受診に必要な情報をどの形で預かるかは、主催者が方針を決めて案内します。個人情報保護委員会は、番号法で定められた場合以外に個人番号をコピーすると違反になる可能性があり、カードの裏面の個人番号はコピーできないとしています[2]。マイナンバーカードそのものや、裏面のコピーは預からないのが無難です(このサイトからの提案)。

子どものリュック

子どもの体に合った大きさのリュック 1 つにまとめてもらいます。大人用のリュックを無理に背負うと、肩ベルトをいちばん短くしてもずり落ち、底がひざの裏あたりまで来て、とても歩きにくくなります。水筒もリュックに入れると両手が空き、転んでもけがをしにくくなります。キャスター付きのスーツケースは、未舗装の道やテントサイトでは転がせません(このサイトの考え)。

海のプログラムの個人装備

シュノーケリングなどでは、顔に合った水中マスク、扱いやすいシュノーケル、かかとまで入るマリンシューズ(岩場・ガラス片・ウニから足を守る)、マリンシューズを履いたまま着けられるフィンを用意してもらいます。合わない用具は、水の中で慌てる原因になります。家庭や浅いプールで事前に試してもらいます(このサイトからの提案)。

ライフジャケットは、主催者が体格に合った物を用意します。消費者庁は、体格に合った物を選び、ベルトや股ひもを緩みなく締め、肩の部分を持ち上げてもずり上がらないことを確かめるよう呼びかけています[3]。海から上がった子どもの体は夏でも急に冷えるので、たき火や温かい飲み物などの保温の用意も、安全の装備として考えます(このサイトの考え)。

団体の装備の考え方

団体の装備は、キャンプの形、人数、献立、プログラムで大きく変わります。分類ごとに一覧を作り、自分たちのキャンプに合わせて増やしたり減らしたりする「たたき台」として使います(このサイトからの提案)。

分類中身の例
受付と本部名簿、本部の救急用品、健康調査票と保険の情報の写し、筆記用具、カメラ
班ごと簡単な救急用品、健康チェックの用紙、名札、ごみ袋
火と工具点火用のライター、火ばさみ、新聞紙、予備の軍手、ナタ、革手袋
生活テント、寝袋、マット、ブルーシート、ロープ、ポリ袋、石けん
炊事と洗い物食器、包丁、まな板、鍋、おたま、ざる、ボウル、缶切り、ラップ、アルミホイル、洗剤、たわし、ふきん

班に貸す道具は、班ごとにかごに入れて最終日まで班で管理させると、なくし物が減り、責任感も育ちます。日本キャンプ協会の「キャンプ指導者入門」の資料(実技編 第 1 章)には、個人装備のチェックリストの例が載っています[4]。

雪の上のキャンプの装備

雪洞やイグルーを作るなら、スノースコップと雪を切るのこぎり、寝るときは寝袋に加えて段ボールやマットを敷いて雪からの冷えを断ちます。ガスのカートリッジは、寒いと火力が落ちるので寒冷地向けの物を選びます(このサイトからの提案)。

雪洞・イグルーの中では、原則として火を使いません。空気が入れ替わりにくく、こんろ・ろうそく・炭を使うと一酸化炭素がたまります。一酸化炭素には色もにおいもなく、気づかないうちに中毒になります[5]。炊事は入口の外の、風を避けられる場所で行います(このサイトの考え)。NITE は、早く気づくために一酸化炭素警報器を取り付けるのも有効だとしています[5]。詳しくは「テントや車の中で火を使わない」と「実技7 水辺・雪上の活動とキャンプファイアー」へ。

考えてみよう

  1. あなたのキャンプのしおりに、理由を添えたい持ち物を 3 つ選び、一言の理由を書いてみましょう。
  2. 保護者から「マイナンバーカードを持たせればよいか」と聞かれたら、どう答えますか。

このサイトの関連する記事

ふだんは

家族のキャンプでも、子どもと一緒に持ち物の一覧にチェックを入れながら荷造りします。

もしもの時は

子どもが自分で荷物を詰め、中身を分かっていることは、非常持ち出し袋を自分で背負って避難するときにも役立ちます。

出典と調べた日

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