実技8 下見とキャンプの危険

このページは「キャンプ指導の基礎」の一部です。キャンプ指導の一般的な知識をまとめたもので、特定の資格講習の公式教材ではありません。本文の[番号]は、ページの下の「出典と調べた日」の番号です。

キャンプの下見(現地踏査)を、実施と同じ季節・時間帯に行う理由と、下見で確かめること(電波、ハザードマップ、AED の場所を含む)、キャンプの危険を自然・施設・活動・人の 4 つの見方で整理する方法を学びます。

このページで学ぶこと

  • 下見を実施と同じ季節・時間帯に行う理由
  • 下見の用紙に入れる観点と、追加で確かめること
  • 危険を 4 つの見方で整理し、重なる場面を考える

下見は何のためにするか

下見(現地踏査)の目的は、計画したキャンプが安全に、ねらいどおりに実施できるかを、実際の場所で確かめることです。地図やウェブサイトでは分からない危険、移動にかかる時間、施設の状態は、現地に行かなければ分かりません。下見は、実施と同じ季節・同じ時間帯に、できれば実際の行程をそのままたどって行います。夏草が茂ると見通しや足もとは大きく変わり、夕方の活動なら暗くなる時刻・気温・虫の多さも確かめる必要があるからです(このサイトの考え)。

下見で確かめること

場所ごとに「危険があるか」「あるなら何が危険か」「どう対処するか」を書き込める用紙を作り、全員で同じ観点を見るようにします。観点の例は次のとおりです(このサイトの整理)。

場所・観点確かめること
集合場所車の往来、送迎の車の動き、待つ場所、トイレ
交通機関乗り降りの場所、乗り換え、駅のホームの混雑
歩く道車道を歩く区間、横断する場所、歩道の有無、段差・ぬかるみ
休憩場所日陰、トイレ、水場、周りの交通や水辺
キャンプ場の中崖、水辺、炊事場、夜に暗くなる場所。管理者の巡回の有無と回数
立入禁止の場所どう標示されているか。足りなければ、何でどう標示するか
救急病院・消防・警察の、昼と夜それぞれの連絡方法・搬送方法・所要時間
緊急の避難場所場所と収容できる人数
活動する場所活動ごとの危険と対処

このほかに、次のことも確かめておくと安心です(このサイトからの提案)。

  • 携帯電話の電波:キャンプ場・活動場所・移動の道のどこで通じないか。通じない場所での連絡のしかた。
  • ハザードマップ:洪水・土砂災害の危険がある区域、避難場所と避難経路。国土交通省・国土地理院の「ハザードマップポータルサイト」で、全国の災害リスクを地図で重ねて見られます[1]。
  • AED の場所:管理棟などのどこにあり、何分で取りに行けるか。夜も使えるか。日本救急医療財団の「財団全国AEDマップ」で、設置場所を調べられます[2]。
  • 生き物:ハチの巣、クマの出没の情報、マダニの多い草地。
  • 夜の様子:夜に歩く道の暗さ、照明、段差。

キャンプの危険を 4 つの見方で整理する

キャンプの危険は、次の 4 つの見方で整理すると、見落としが減ります(このサイトの整理)。キャンプ場の絵や写真から危険を探す「危険探し」は、指導者の研修に向いています。

見方危険の例
自然増水・鉄砲水、落石・崖崩れ、落雷、強風・倒木、暑さ、寒さと濡れ、ハチ・マダニ・ヘビ・クマ、ウルシなどの植物、毒きのこ
施設・用具壊れた柵、ぐらつくかまど、滑りやすい階段、手入れされていないテントや燃焼器具、照明のない通路
活動刃物と火、水辺、高さのある活動、夜の活動、長く歩く活動
人体調・持病・アレルギー、疲れと寝不足、ふざけ合い、決まりを守らない、指導者の経験不足や疲れ、指導者どうしの連携不足

事故の多くは、いくつかの要因が重なって起こります。たとえば「雨の後で滑りやすい河原(自然)」で「疲れた子どもが(人)」「ふざけて走る(人・活動)」と、転ぶ危険は一気に高まります。下見と毎晩のスタッフミーティングでは、「要因が重なるのはどんな場面か」を話し合います(このサイトの考え)。危険と対応の考え方は「第4章 安全管理(1)」と「第13章 ルールとマナー、指導者の責任」へ。

考えてみよう

  1. あなたのよく行くキャンプ場で、携帯電話の電波が届かない場所はどこですか。届かないときはどう連絡しますか。
  2. 「自然」「施設」「活動」「人」の危険が重なる場面を 1 つ考え、防ぐ方法を書いてみましょう。

このサイトの関連する記事

ふだんは

家族で出かけるときも、行き先の電波と AED の場所、雨のときの逃げ道を一度調べてから出発します。

もしもの時は

ハザードマップで避難場所と道を確かめる下見の習慣は、自宅の周りの防災にもそのまま使えます。

出典と調べた日

誤りを見つけたら、お問い合わせの種類「記事の誤りの連絡」でお知らせください。確かめて直し、更新履歴に記録します。