実技3 刃物と燃焼器具

このページは「キャンプ指導の基礎」の一部です。キャンプ指導の一般的な知識をまとめたもので、特定の資格講習の公式教材ではありません。本文の[番号]は、ページの下の「出典と調べた日」の番号です。

ナタとナイフを安全に使い、子どもに教えるときの要点と、刃物の持ち運びの法律、ガス式とガソリン式のランタン・バーナーの違い、指定された燃料だけを使う理由、ガソリンの給油と加圧の要点、燃焼器具の安全を学びます。

このページで学ぶこと

  • ナタは「割く」道具。小割りのしかたと安全の約束
  • ナイフは刃を体の外へ。刃物の持ち運びの法律
  • 指定された燃料・燃料容器を使う理由
  • ガソリンの 8 分目の給油、大きな鍋や鉄板でカートリッジを覆わないこと

ナタ

ナタは「切る」道具ではなく、木の繊維を割く道具です。木目をよく見て、節は避けます。安定した薪割り台を用意し、細いまきを小割りにするときは次のように行います(このサイトからの提案)。

  1. まきは刃から遠い側の端を持つ(片手で扱える細いまきに限る)。
  2. ナタの刃をまきの端に軽く食い込ませる。
  3. ナタだけを振り上げず、ナタとまきを一緒に持ち上げ、一緒に薪割り台に打ちつける。打ちつけると同時に、まきを持つ手を離す。
  4. 割れるまで繰り返す。
  • 周りに人がいないか確かめる。腕とナタを伸ばした長さより内側に人を入れない。
  • 手で立てたまきの上からナタを振り下ろすことは、絶対にしない。
  • 刃の向く先に自分の足を置かない。ひざをついて作業すると、足に当たりにくい。
  • 使わないときは刃にカバーを付けて決めた場所に置く。手渡すときは柄を相手に向ける。
  • ナタを持つ手に軍手をすると滑ってすっぽ抜けることがある、という理由で「ナタは素手で握り、手袋はまきを持つ手に着ける」と教える指導があります。一方で革手袋を着ける考え方もあり、所属する団体の決まりに従います。
  • 子どもに使わせるかどうかは、年齢・経験・体格を見て決め、使わせるなら一人ずつ、指導者がそばについて行う。

(このリストは、このサイトからの提案です。)

ナイフ

  • 刃はいつも体の外側に向けて動かす。刃の進む先に、自分や人の手足を置かない。
  • 細かい作業では、親指を刃の背に当てて、刃と親指を一緒に動かすと力を加減しやすい。
  • 座って作業し、ひじをひざの外に出すなど、刃が体に向かない姿勢をとる。
  • 使わないときは刃をしまう。手渡しは柄から。
  • 切れない刃物は余計な力が要り、かえって危ない。よく研いでおく。

(このリストは、このサイトからの提案です。)

刃物と法律:銃刀法は、業務その他正当な理由による場合を除いて、刃体の長さが 6 センチメートルを超える刃物を携帯してはならないと定めています(刃体 8 センチメートル以下のはさみや折りたたみ式のナイフなどで政令で定めるものを除く)[1]。軽犯罪法は、正当な理由がなく、刃物などを隠して携帯することを禁じています[2]。警視庁は「携帯」を、自宅や居室以外の場所で、直ちに使える状態で身の回りに置き、その状態が多少続くことと説明しています[3]。キャンプで使うための持ち運びでも、すぐに取り出せない形でかばんに入れて運び、キャンプ以外の場面では持ち歩かないよう指導します(このサイトからの提案)。詳しくは「キャンプの刃物と法律」へ。

燃焼器具(ランタン・バーナー)

ガス(カートリッジ)式ガソリン式
燃料ガスカートリッジ、カセットボンベホワイトガソリン
よいところ扱いが簡単。燃料が漏れる心配が少ない火力が強く、寒さに強い
気をつけるところ寒いと火力が落ちる加圧(ポンピング)や給油の手間。燃料の扱い

燃料は器具に指定された物だけ:NITE は、指定されたもの以外の燃料を誤って使うと事故に至るおそれがあるとして、必ずそれぞれの機器に指定された燃料を使うよう呼びかけています。石油燃料は、灯油、ホワイトガソリン、自動車などの燃料のガソリンの 3 種類に大別されます[4]。カートリッジガスこんろは、本体や取扱説明書に書かれた燃料容器の名称を確かめて適切な容器を使い、正しく接続します[4]。

ガソリン式の要点(メーカーのコールマンの手入れの手引きから)[5]

  • 給油は、燃料タンクを水平に置いた状態でタンクの 8 分目が適量。多すぎると加圧するすき間がなく、液体のままのガソリンが出てしまう。
  • 加圧は、ノブが押し込めなくなるくらい固くなるまで行う(回数は機種で違う)。
  • 空焼きしたマントルは非常にもろい。
  • ポンプの調子が悪いときは、ポンプカップ用の専用のオイルを注す。

給油は、火が完全に消えて器具が冷えてから、火の気のない場所で行い、こぼれた燃料はよく拭き取って乾いてから点火します。軽犯罪法も、ガソリンなど引火しやすい物の近くで相当の注意をせずに火を使うことを禁じています[2]。手順は、使う器具の取扱説明書に従ってください(このサイトからの提案)。

燃焼器具の安全

  • テントの中、車の中、雪洞など閉め切った場所で使わない:一酸化炭素中毒のおそれがあります。NITE は、テントの中やフライシートの下では絶対に使わないよう呼びかけています[4]。詳しくは「テントや車の中で火を使わない」へ。
  • 大きな鍋や鉄板でカートリッジを覆わない:NITE は、スキレットなど放射熱の大きな製品や、こんろ全体を覆う大きさの鍋を使わないこと、カートリッジガスこんろを 2 台並べて上に鉄板を乗せる使い方などは、カートリッジが破裂するおそれがあるので絶対にしないことを呼びかけています[4]。
  • ランタンは、テントやタープの布、木の枝から十分に離して吊るす。上の部分はとても熱くなる。
  • 子どもが燃焼器具を扱うときは、必ず指導者がそばにつき、点火・給油・消火の手順を一緒に声に出して確かめる。
  • 使った後は器具が冷えてから片づけ、カートリッジは外してしまう。

カセットこんろの安全は「カセットこんろとボンベの安全」へ。

考えてみよう

  1. 子どもにナタを使わせるかどうか、どんな条件で決めますか。
  2. ガソリン式のランタンに燃料を入れるときの手順を、声に出して説明してみましょう。

このサイトの関連する記事

ふだんは

キャンプでは、刃物も燃焼器具も「使う前に約束、使う間はそばに指導者、使った後は数と片づけ」を守ります。

もしもの時は

停電のときにランタンやバーナーを家で使う場面でも、指定の燃料と換気、閉め切った場所で使わない決まりはそのまま当てはまります。

出典と調べた日

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