離岸流から身を守る|速さは毎秒2m、幅は10〜30m。逆らわずに岸と平行に泳ぐ(海上保安庁)

海水浴で沖に流される事故の大きな原因が、離岸流です。海上保安庁の第一管区海上保安本部によると、離岸流は岸から沖へ向かって流れる海水の流れで、その速さは毎秒 2 m に達することもあります。これは、オリンピックの自由形の金メダリストが泳ぐ速さとほぼ同じです。この記事では、海上保安庁の資料から、離岸流の特徴と、流されたときの対処、海での事故の実態をまとめます。

離岸流の特徴

  • 海岸線のどこでも起こる可能性があり、沖へ数十メートルから数百メートルに及ぶことがあります。幅は 10〜30 メートル程度と、あまり広くないのが特徴です(第一管区海上保安本部)。
  • 起きやすいのは、外洋に面している、遠浅で海岸線が長い、波が海岸に対して直角に入る、の 3 つを満たす海岸です(同)。
  • 海上保安庁のウォーターセーフティガイド(英語版)は、砂の流出を防ぐ突堤などの構造物の周りでは、離岸流などの複雑な流れができやすいので、近くで泳がないよう求めています。

流されたら

  1. 慌てない。流れに逆らって泳がない(第一管区海上保安本部)。ウォーターセーフティガイドは、オリンピック級の泳ぎ手でも、流れにまっすぐ逆らって泳ぐのは難しいとしています。
  2. 岸と平行に泳ぐ。離岸流の幅は狭いので、抜けると沖に流されなくなります。
  3. 沖向きの流れから抜け出せたら、岸に向かって泳ぐ。
  4. 泳いで抜け出せないときは、力を抜いて浮き、救助を待つ(ウォーターセーフティガイド英語版)。

助けを呼ぶ合図

ウォーターセーフティガイド(英語版)によると、足が立つか浮いていられるなら、片腕を上げて左右に大きく振ります。ライフジャケットに笛が付いていれば、笛も効果的です。ただし、ライフジャケットなどの浮く物がなく、やっと浮いている状態で腕を激しく振ると、沈むおそれがあります。まず浮くことを優先します。浮き方は「着衣のまま水に落ちたら」へ。

溺れている人を見つけたら

海上保安庁は、溺れている人を助けようと水に入るのは非常に危険なので、まず自分の安全を確保し、できるだけ道具を使うよう求めています。118 番(海上保安庁)、110 番、119 番に通報します。大きめのペットボトルやクーラーボックスなど、浮く物を投げ入れます。

海の事故の実態

海上保安庁の「令和 7 年 海難の現況と対策」によると、遊泳中の事故者は 218 人で、そのうち死者・行方不明者は 82 人でした。事故の内容は溺水が 138 人(63%)で最も多く、発生場所は、海水浴場以外と遊泳不可の海水浴場が合わせて 160 人(73%)でした。

冬の富山湾の「寄り回り波」

冬の日本海では、風がやんで海が静かになったあとに、突然高い波が来ることがあります。富山地方気象台によると、「寄り回り波」は富山湾に特有のうねりの高波で、日本海の北部で暴風によって起きた波がうねりとなって富山湾に入ってきます。低気圧が発達しながら通り過ぎたあと、風や波が静まり、漁や浜辺での作業を始めようとするころに、突然打ち寄せます。うねりが伝わるのに半日から 1 日かかるため、風が収まったころに突然高波が来ることがあります。

2008 年 2 月 24 日には、富山湾の沿岸に有義波高で 6m を超え、最大波高で 8m 前後の高波が打ち寄せ(気象庁のまとめ)、2 人が亡くなりました(富山地方気象台)。気象台は、静かな海でも急に波が高くなる可能性があるので、ただちに海岸や堤防から離れ、波の様子を見るために海岸に近づかないよう呼びかけています。

海に行く前に(このサイトからの提案)

  • ライフガードのいる、遊泳が認められた海水浴場で泳ぐ。
  • 突堤や消波ブロックの近くでは泳がない。波打ち際から海を見て、波が崩れていない筋や、濁った水が沖へ流れている所がないか確かめる。
  • 子どもにはライフジャケットを着せ、大人が目を離さない。
  • 笛と、防水ケースに入れた携帯電話を持つ(ウォーターセーフティガイド英語版も、ライフジャケットなどの浮く物、笛、防水ケースの携帯電話を挙げています)。

川の事故は「川遊びの水難を防ぐ」へ。英語版の記事:Rip currents: how to escape, U.S. and Japanese advice。

ふだんは

海で泳ぐときは、ライフガードのいる海水浴場を選び、突堤や消波ブロックの近くでは泳がないようにしましょう。

もしもの時は

沖へ流されたら、流れに逆らわずに岸と平行に泳ぐ。抜けられなければ力を抜いて浮き、救助を待ちます。

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