南海トラフ地震臨時情報と北海道・三陸沖後発地震注意情報|予知ではない。出たら1週間「特別な備え」

「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」は、2024 年 8 月 8 日に初めて発表され、多くの人が「何をすればいいのか」と戸惑いました。北海道から三陸沖にかけては「北海道・三陸沖後発地震注意情報」があり、2025 年 12 月と 2026 年 4 月に発表されています。どちらも地震の予知ではありません。大きな地震のあと、さらに大きな地震が続く可能性がふだんより高まったときに、備えを確かめるための情報です。この記事では、気象庁と内閣府(防災担当)の資料から、情報の種類と、出たときにとる行動をまとめます。

南海トラフ地震臨時情報の 4 つの言葉

キーワード出る条件(気象庁)とる行動(気象庁)
調査中監視する領域でマグニチュード 6.8 以上の地震が起きたときなど、南海トラフ地震との関連を調べる必要があるときそれぞれの状況に応じて、避難などの防災対応の準備・開始をし、次の情報に注意する
巨大地震警戒想定震源域のプレート境界で、モーメントマグニチュード(Mw)8.0 以上の地震が起きたと評価したとき地震のあとの避難では間に合わないおそれのある住民は、1 週間の事前避難。その後さらに 1 週間は「特別な備え」
巨大地震注意監視する領域で Mw7.0 以上の地震が起きたと評価したとき(巨大地震警戒に当たる場合を除く)、または通常と異なる「ゆっくりすべり」が起きたと評価したとき日頃の地震への備えの再確認に加え、「特別な備え」(すぐに逃げられる態勢の維持や、非常持出品をいつも持ち歩くなど)。必要に応じて自主的に避難
調査終了上のどちらにも当てはまらないとき地震に注意しながら通常の生活を送る。大きな地震が起きる可能性がなくなったわけではない

気象庁は、現象が起きてから最短 2 時間ほどで巨大地震警戒・巨大地震注意を発表するとしています。

  • どれくらい起きやすくなるのか:世界の事例では、Mw7.0 以上の地震のあと 7 日以内に Mw8 クラス以上の地震が起きる頻度は概ね 100 回に 1 回程度、Mw8.0 以上の地震のあとでは概ね 10 回に 1 回程度です(気象庁)。
  • 情報がないまま起きることもある:気象庁は、今の科学では南海トラフ地震の時期・場所・規模を確度高く予測することはできず、この情報が出ないまま突然起きることもあるとしています。
  • 「1 週間」の意味:気象庁は、1 週間という期間は人々が対応を続けられる限度などを考えて決めたもので、それを過ぎれば地震の可能性がなくなるわけではないとしています。気象庁から防災対応を「解除する」旨の情報は出ません(気象庁 FAQ)。
  • 対象の地域:防災対応をとる「南海トラフ地震防災対策推進地域」は、高さ 3 m 以上の津波または震度 6 弱以上の揺れが想定される地域などをもとに指定されています。事前避難の対象地域は市町村が定めます(気象庁・内閣府)。

2024 年 8 月の初めての「巨大地震注意」

2024 年 8 月 8 日 16 時 43 分ごろ、日向灘を震源とするマグニチュード 7.1 の地震が起き、気象庁はこれをモーメントマグニチュード 7.0 と評価して、同日 19 時 15 分に初めて「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」を発表しました。政府としての「特別な注意の呼びかけ」は、地震から 1 週間たった 8 月 15 日 17 時に終わりました。2025 年 1 月 13 日にも日向灘で地震があり「調査中」が出ましたが、Mw6.7 で 7.0 に満たなかったため、同じ日のうちに「調査終了」となりました(気象庁)。

内閣府は、この初めての発表の教訓から、2025 年 8 月に「南海トラフ地震臨時情報防災対応ガイドライン」を改訂しました。ガイドラインは、巨大地震注意が出たときは、学校や交通機関は通常どおり動き、日常の生活と大きく変わらない状況が想定されるとしています。また、食料品や生活必需品の必要以上の買いだめ・買い急ぎは控えるよう求めています。

北海道・三陸沖後発地震注意情報

北海道の根室沖から東北地方の三陸沖にかけての巨大地震の想定震源域に影響を与える場所で、Mw7.0 以上の地震が起きたときに発表されます(気象庁)。運用は 2022 年 12 月 16 日に始まりました。防災対応をとる地域は北海道から千葉県にかけての太平洋側です(内閣府)。

  • 発表されたら、1 週間程度、ふだんより巨大地震の発生に注意し、地震への備えを徹底します(気象庁)。政府は、地震から 1 週間、「特別な備え」と「日頃からの地震への備えの再確認」を呼びかけます。
  • 過去の世界の事例をふまえると、その確率は 100 回に 1 回程度と低く、決まった期間に大きな地震が必ず起きると知らせるものではありません。一方で、2011 年には三陸沖で Mw7.3 の地震の 2 日後に Mw9.0 の東北地方太平洋沖地震が起きています(気象庁)。
  • 発表の実績:2025 年 12 月 8 日 23 時 15 分ごろの青森県東方沖の地震(M7.5)を受けて 12 月 9 日に初めて発表され、12 月 16 日 0 時に政府としての特別な注意の呼びかけの期間が終わりました。2026 年 4 月 20 日 16 時 52 分の三陸沖の地震(M7.7)を受けて、同日 19 時 30 分に 2 回目が発表されました(気象庁・内閣府)。

「特別な備え」の中身(このサイトの整理)

気象庁・内閣府の言う「特別な備え」の例は、すぐに逃げられる態勢の維持と、非常持出品をいつも持ち歩くことです。具体的には、次のようなことが考えられます(このサイトからの提案)。

  • 寝室の家具の固定を確かめ、枕元に靴とライトを置く。
  • 家族と、避難場所・連絡方法をもう一度確かめる。
  • 津波の危険がある地域では、避難の経路と、すぐ逃げる合図(強い揺れ・長い揺れ・津波警報)を家族で確かめる。
  • 出かけるときは、水・ライト・携帯トイレ・充電器を入れた小さな袋を持ち歩く。
  • 水と食料はローリングストックでふだんから回し、発表のときに買いだめしない。

家の備えは「家具の転倒・落下・移動を防ぐ」、揺れたときの動き方は「地震が起きたら」、津波は「津波警報・注意報と避難」へ。

ふだんは

家具の固定と、家族の避難場所・連絡方法を確かめておけば、臨時情報が出ても慌てずにすみます。

もしもの時は

臨時情報が出たら、買いだめはせず、すぐ逃げられる態勢と非常持出品の持ち歩きを1週間続けます。

出典と調べた日

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