地震の予知はできるのか|地震本部・気象庁・USGSの答えと、予言・地震雲との付き合い方
「〇月〇日に大地震が来る」という予言や、地震雲の話は、何度も広まっては消えていきます。地震は予知できるのでしょうか。この記事では、地震調査研究推進本部(地震本部)・気象庁・米国地質調査所(USGS)の説明から、予知についての科学の答えと、予言やうわさとの付き合い方をまとめます。
「地震予知」の意味
地震本部は、地震予知を「いつ、どこで、どれくらいの規模の地震が起こるのかを、地震の発生前に科学的根拠に基づき予測すること」と定義しています。USGS も、予知には日時、場所、規模の 3 つが必要だとしています。
科学の答え:今は、予知は困難
- 地震本部:現在の科学技術では、大きな地震に限ったとしても、一般的に地震予知は困難だと考えられています。
- 気象庁:国の調査部会の報告(平成 29 年 8 月)を引いて、現時点では地震の発生時期や場所・規模を確度高く予測する科学的に確立した手法はない、としています。
- USGS:USGS もほかの科学者も、大きな地震を予知したことは一度もない、としています。
かつて、東海地震は日本で唯一、直前予知の可能性がある地震と考えられていました。しかし気象庁は、東海地震だけに着目した「東海地震に関連する情報」の発表をやめ、今は南海トラフ全体を対象にした情報を出しています(「南海トラフ地震臨時情報と北海道・三陸沖後発地震注意情報」)。
できること:確率と「相対的に高まった」評価
予知はできなくても、地震本部は、地震が起きる可能性が平常時に比べて相対的に高まっているという評価は可能だと考えられているとしています。また、活断層や海溝の地震について、今後 30 年以内に起きる確率を公表しています。確率が小さくても、起きないという意味ではありません。地震本部によると、熊本地震を起こした断層帯の発生直前の確率は「ほぼ 0%〜0.9%」でした。情報が不足して確率が出せない断層は「X ランク」とされ、地震本部はこれを「不明(すぐに地震が起きることが否定できない)」と説明しています。
緊急地震速報は予知ではありません。USGS が書くとおり、早期警報は地震が始まったあとに出される通知です。
地震雲・動物・予言
USGS は、地震は雲や体の痛み、ナメクジとは関係がないとしています。前兆と言われる現象の多くは、地震が起きないまま現れることが多く、本当の予知にはならないとも書いています。日時を指定した予言は、科学的な根拠のない「予知」の形をしています。予言が外れたからといって、地震が来ないわけでもありません(このサイトの考え)。
うわさに振り回されない(このサイトからの提案)
- 広める前に、気象庁や地震本部、自治体が同じことを言っているか確かめる。
- 日時を指定した予言は、共有しない。
- 予言を気にするより、家具の固定と避難の道の確認をする。どの日に地震が来ても役に立ちます(「家具の転倒・落下・移動を防ぐ」「地震が起きたら」)。
災害時のデマ全般は「災害時の情報の集め方」へ。英語版の記事は「Can earthquakes be predicted?」です。
ふだんは
予言の日付を気にするより、今日、寝室の家具を固定しましょう。どの日に揺れても役に立ちます。
もしもの時は
日時を指定した予言やうわさは広めず、気象庁や自治体の情報を確かめます。
出典と調べた日
- 地震調査研究推進本部「よくある質問」 (2026-11-06 に確認)
- 地震調査研究推進本部「長期評価結果一覧」 (2026-11-06 に確認)
- 気象庁「南海トラフ地震の予測可能性の現状と…運用開始に至る経緯」 (2026-11-06 に確認)
- 気象庁「東海地震とは」 (2026-11-06 に確認)
- USGS「Can you predict earthquakes?」(英語) (2026-11-06 に確認)
- USGS「What is the difference between earthquake early warning, … and earthquake prediction?」(英語) (2026-11-06 に確認)