赤ちゃんの防災|液体ミルクの注意、粉ミルクは70℃以上で2時間以内、紙コップで代用、抱っこひもの落下(国・小児科学会)

赤ちゃんのいる家庭の防災は、ミルク、授乳、おむつ、移動の 4 つが中心です。国は、育児用ミルク(粉ミルクまたは乳児用液体ミルク)や哺乳瓶などを、被災者の命と生活環境を守るために欠かせない物資として、被災地へ国から送る「プッシュ型」で支援するとしています。ただし届くまでには時間がかかるので、家庭の備えが要ります。この記事では、国・こども家庭庁・日本小児科学会などの資料から、赤ちゃんの防災をまとめます。食品の備蓄の量は「配慮が必要な家族の食の備え」へ。

母乳とミルク

日本小児科学会などは、平時も災害時も、乳児に推奨されるのは母乳であり、粉ミルクや液体ミルクは母乳の代わりの食品だとしています。こども家庭庁の資料も、避難所では、乳児は母乳または育児用ミルクを続けるよう声をかけるとしています。

乳児用液体ミルク

乳児用液体ミルクは、平成 30 年 8 月 8 日に製造・販売などを可能にする省令が公布されました。国は、水などを使わずに授乳できる液体ミルクを、ライフラインが止まったときに母子の状況に応じて活用するよう求めています。使うときの注意は次のとおりです。

  • 高温の場所に置かない。期限が切れていないか、破損がないか確かめる(日本小児科学会)。
  • 開封したらすぐに使い、飲み残しは使わない(日本小児科学会)。消費者庁も、飲み残しは雑菌が増えやすいので与えないよう呼びかけています。
  • 保存期間は容器で違い、紙パックは約 6 か月、缶は約 1 年です(消費者庁)。ふだんから使い、買い足しながら備えます(「ローリングストックの始め方」)。

粉ミルクを作るとき

  • 厚生労働省(WHO・FAO のガイドライン):使うお湯は 70℃以上に保ち、作ってから 2 時間以内に使わなかったミルクは捨てます。
  • こども家庭庁:哺乳瓶を用意できないときは、紙コップや清潔なコップで代わりにし、残ったミルクは捨てます。ペットボトルの水で作るときは、硬水(ミネラル分が多い水)を避けます。
  • 日本栄養士会の手引きも、哺乳瓶や乳首がないときの代わりに、紙コップやカップ、スプーンなどを使う方法を挙げています。

避難所での授乳

こども家庭庁の資料は、安心して授乳できるプライベートな空間を確保できるよう配慮するとしています。内閣府の避難所運営ガイドラインも、男女別の更衣室や休養スペース、授乳室、キッズスペースの設置を挙げています。内閣府男女共同参画局のガイドラインは、粉ミルクや液体ミルクを一律に配るのは避け、一人ひとりの状況に合わせて支援する必要があるとしています。授乳スペースや、ミルクが要るかどうかは、遠慮せずに運営の人に伝えてよいのです(このサイトの考え)。

抱っこひもで避難するとき

国民生活センターによると、2019 年度から 5 年 10 か月の間に抱っこひもを使っていたときの子どもの事故が 176 件寄せられ、そのうち 138 件は抱っこしていた子どもが落ちた事例でした。前かがみになったときに脇からすり抜けた例もあります。避難の前に、ベルトをきちんと締め、体に合わせて調整しておきます。

備える量

厚生労働省の「授乳・離乳の支援ガイド」は、日ごろから家庭で最低 3 日分、できれば 1 週間分程度の生活用品の備蓄が必要だとしています。

持ち出し袋に入れておくもの(このサイトからの提案)

  • 液体ミルクか粉ミルク、紙コップ、使い捨ての哺乳瓶
  • おむつ、おしりふき、ポリ袋
  • 母子健康手帳(またはその写真)、保険証
  • 着替え、タオル、授乳ケープ

持ち出し袋の基本は「非常用持ち出し袋の中身」へ。

ふだんは

液体ミルクや粉ミルクを、ふだん使いながら1週間分を目安に買い足しておきましょう。

もしもの時は

避難のときは、抱っこひものベルトを締め直してから動きます。避難所で授乳スペースが要るときは、運営の人に伝えます。

出典と調べた日

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