賃貸の防災|家具の固定はまず「くぎやネジを使わない方法」、地震の傷みは借主の負担でない(国交省ガイドライン・民法)、家財の地震保険

賃貸の部屋に住んでいると、「家具を固定したいけれど、壁に穴をあけてよいのか」「地震で部屋が壊れたら誰が直すのか」と迷います。この記事では、国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」、民法、財務省の地震保険の説明から、賃貸の防災で知っておきたいことをまとめます。個別の契約の内容によって変わるので、迷ったら管理会社や大家さんに相談してください。

家具の固定:まず、くぎやネジを使わない方法を

国土交通省のガイドラインは、画鋲やピンの穴は通常の損耗と考えられるとする一方、重い物を掛けるためのくぎ穴やネジ穴は、通常の使用による損耗を超えると判断されることが多いとしています。そのうえで、地震などに対する家具の転倒防止の措置は、前もって貸主の承諾を得るか、くぎやネジを使わない方法などを検討することが考えられる、としています。突っ張り棒や粘着マット、家具の配置の工夫から始めます(「家具の転倒・落下・移動を防ぐ」)。

「原状回復」は、元どおりにすることではない

ガイドラインは、原状回復を、借りた人の故意・過失、善管注意義務違反、通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること、と定義しています。通常の損耗や経年変化については、借りた人が原状回復の義務を負わないことが明記されています(国土交通省の参考資料)。

地震で部屋が傷んだら

  • ガイドラインは、震災などの不可抗力による損耗は、借りた人が負担すべきものでないことは当然だとしています。地震で割れたガラスについても、自然災害による損傷であり、借りた人に責任はないと考えられるとしています。
  • 民法第 621 条は、借りた人の原状回復の義務について、その損傷が借りた人の責めに帰することができない事由によるものであるときはこの限りでない、と定めています。
  • 民法には、貸主の修繕の義務(第 606 条)、部屋の一部が使えなくなったときの賃料の減額(第 611 条)、部屋が全部なくなったときに賃貸借が終わること(第 616 条の 2)の定めもあります。

家財の地震保険

財務省によると、地震保険は火災保険に付けて契約する方式で、火災保険への加入が前提です。保険金額は火災保険の 30〜50% の範囲で決め、家財は 1,000 万円が限度です。家財の損害は、時価の 80% 以上なら全損、10% 以上 30% 未満なら一部損などと区分されます。賃貸に住む人の家財は自分の保険で守るものなので、契約の内容を一度確かめます(このサイトからの提案)。

被災したら(このサイトからの提案)

  • 片付ける前に、部屋と家財の傷みを写真に撮る(「罹災証明書と被災後の最初の手続き」)。
  • 管理会社か大家さんに、傷んだ場所と写真を伝える。
  • 修理の業者を自分で呼ぶ前に、誰が手配するかを確かめる。

ふだんは

賃貸なら、突っ張り棒や粘着マットなど、くぎやネジを使わない家具の固定から始めましょう。

もしもの時は

地震で部屋が傷んだら、片付ける前に写真を撮り、管理会社か大家さんに連絡します。

出典と調べた日

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