土砂災害の前ぶれと避難|「レベル4土砂災害危険警報」(2026年5月から)で区域の外へ

土砂災害は、一度起きると逃げる時間がほとんどありません。国土交通省の資料によると、土石流の速さは時速 20〜40 km にもなり、一瞬のうちに人家や畑を壊滅させます。国土交通省によると、令和 7 年には 37 の都道県で 578 件の土砂災害が起きました(梅雨期の少雨の影響で、昭和 57 年から令和 6 年の平均 1,116 件を下回った年です)。この記事では、国土交通省と気象庁の資料から、土砂災害の種類と前ぶれ、危険を知らせる情報、避難のしかたをまとめます。

土砂災害の 3 つのかたち

種類どんな現象か(国土交通省)
土石流大雨をきっかけに、谷や斜面にたまった土砂が、雨の水と一緒に一気に流れ出す。流れの急な川や扇状地で起きることが多い
地すべり1 日に数ミリほどの目に見えない動きだが、突然数メートルも動くことがある
がけ崩れ突然起きて、速く、強い破壊力をもつ

前ぶれに気づいたら、すぐ避難

国土交通省北陸地方整備局の神通川水系砂防事務所は、土砂災害の前ぶれとして次のような現象を挙げ、気づいたら周りの人にも知らせ、いち早く安全な場所に避難するよう呼びかけています。

種類前ぶれの例
土石流川の水が急に濁る、流木が混じり始める。山鳴りや、立木の裂ける音、石のぶつかり合う音がする。雨が降り続いているのに川の水位が下がる
地すべり沢や井戸の水が濁る。地面にひび割れができる。斜面から水が噴き出す
がけ崩れがけに割れ目が見える。がけから水がわき出ている。がけから小石がぱらぱらと落ちてくる

ただし、前ぶれがあるとは限りません。前ぶれを待たずに、下の情報で早めに動くのが基本です(このサイトの考え)。

危険を知らせる情報(2026 年 5 月から名前が変わった)

気象庁は令和 8 年(2026 年)5 月 29 日から新しい防災気象情報の運用を始めました。土砂災害についての情報は、次の名前で発表されます。

警戒レベル新しい名前これまでの名前
5 相当レベル 5 土砂災害特別警報大雨特別警報(土砂災害)
4 相当レベル 4 土砂災害危険警報土砂災害警戒情報
3 相当レベル 3 土砂災害警報大雨警報(土砂災害)
2 相当レベル 2 土砂災害注意報(大雨注意報)

(気象庁「防災気象情報の改善について」と報道発表。対応は気象庁の資料の新旧の表から)

  • レベル 4 土砂災害危険警報:呼び方は変わりましたが、土砂災害防止法にもとづく避難に役立つ情報(土砂災害警戒情報)としての性質は変わりません(気象庁)。市町村が避難指示を出す目安です。対象は、雨で予測できる「土石流」と「同時多発的ながけ崩れ」で、地すべりは含まれていません。雨量の指標が高まっていない状態で起きる土砂災害も対象外です(国土交通省砂防部・気象庁)。
  • レベル 3 土砂災害警報:発表の基準が見直され、気象庁は「まもなくレベル 4 土砂災害危険警報を発表する可能性大」としています。
  • 土砂キキクル(危険度分布):地図上で 1 km 四方ごとに危険度を色分けして示します(気象庁)。危険度が上がったときにプッシュ通知で知らせるサービスもあります。

気象庁は、自治体から避難指示などが出ていなくても、警戒レベル 4 や 3 に相当する防災気象情報が出たときは、キキクルなどを使って自ら避難の判断をするよう求めています。

自分の家は危ない場所か

土砂災害のおそれがある区域は、「土砂災害警戒区域」と、そのうち特に危険な「土砂災害特別警戒区域」に指定されています。国土交通省によると、令和 8 年 6 月 30 日時点で、全国の土砂災害警戒区域は 721,014 区域、そのうち特別警戒区域は 621,287 区域です。

自宅や実家、職場、キャンプ場が区域に入っているかは、ハザードマップポータルサイトの「重ねるハザードマップ」で確かめられます。区域に入っていれば、警戒レベル 4 までに区域の外へ避難するのが基本です(このサイトの考え。警戒レベルと避難の考え方は「警戒レベルと避難情報」へ)。

避難のポイント(このサイトからの提案)

  • 雨が強くなる前、明るいうちに、区域の外の安全な場所へ移る。夜の大雨が予想されるときは、夕方までに。
  • 避難が間に合わず外に出るほうが危ないときは、家の中でも、がけや斜面から離れた側の部屋の、なるべく高い階へ移る。
  • 雨がやんでも、しばらくは斜面や沢に近づかない。
  • キャンプ場や登山口が沢沿いや谷の出口にあるときは、雨の予報だけで中止を考える。テントの場所の選び方は「テントを張る場所の選び方」へ。

英語版には、米国地質調査所(USGS)の資料と日本の情報を比べた記事があります:Landslides: warning signs and Japan's alerts。

ふだんは

ハザードマップポータルサイトで、自宅・実家・よく行くキャンプ場が土砂災害警戒区域に入っていないか確かめておきましょう。

もしもの時は

レベル4土砂災害危険警報が出たら、避難指示を待たずに区域の外へ。間に合わなければ、斜面から離れた部屋の高い階へ。

出典と調べた日

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