職場の備蓄と帰宅困難者|東京都条例は従業者3日分の備蓄と一斉帰宅の抑制、水9L・主食9食・毛布1枚、来客用に10%(内閣府)
大きな地震が起きたら、職場から一斉に帰ろうとしないことが大切です。東京都は、首都直下地震などで都内に約 453 万人の帰宅困難者が出ると想定しています。この記事では、東京都帰宅困難者対策条例と内閣府のガイドラインから、職場が備えることを、事業者の側から読みます。歩いて帰るときの注意は「徒歩帰宅に備える」へ。
東京都の条例が求めること
東京都帰宅困難者対策条例(平成 25 年 4 月 1 日施行)の第 7 条は、事業者に次のことを求めています。
- 大規模な災害のときは、施設の安全を確かめたうえで、従業者に施設内での待機を指示するなどして、従業者が一斉に帰宅することの抑制に努めなければならない。
- 知事が定めるところにより、従業者の 3 日分の飲料水、食糧その他の必要な物資を備蓄するよう努めなければならない。
どちらも努力義務です。東京都のハンドブックによると、対象の事業者は従業員数を問わず、あらゆる法人と、事業を行う個人を含みます。従業者には、社員だけでなく、その事業所で働くアルバイトや委託業者の職員も含まれます。テナントのビルでは、原則として事業者ごとの備蓄です。
備蓄の目安(内閣府のガイドライン、令和 8 年 1 月)
| 品目 | 目安 |
|---|---|
| 水 | 1 人 1 日 3 リットル、計 9 リットル |
| 主食 | 1 人 1 日 3 食、計 9 食 |
| 毛布 | 1 人 1 枚 |
| 来客など | 例えば 10% 程度の量を余分に |
内閣府のガイドラインは、備蓄の量は 3 日分を目安にしつつ、3 日分以上も検討するとし、対象は雇用の形態(正規・非正規)を問わず事業所で働く全従業員としています。簡易トイレなどほかの品目は、物資ごとに必要な量を考えるとしています。
「3 日」は、待機の目安
国の会議が示した帰宅行動の指針は、帰宅困難者は原則 3 日間は安全な場所に待機し、救助・救命の活動が落ち着いたおおむね 4 日目以降に順次帰宅するとしています。帰れるようになっても、一斉に帰るのではなく、時間や道を分けて帰るのが基本です。東京都のハンドブックは、道路の安全が確保され、二次災害のおそれがないような場合には、3 日を待たずに帰ることもできるとしています。
なお、東京都のハンドブックによると、台風のように数時間で交通機関の運行の再開が見込まれる場合は、この条例の対象ではありません。
個人で職場に置いておくもの(このサイトからの提案)
ふだんは
職場に、歩きやすい靴・常備薬・モバイルバッテリー・携帯トイレを置いておきましょう。
もしもの時は
大きな地震のあとは、職場の安全を確かめてとどまります。むやみに一斉に帰ろうとしません。
出典と調べた日
- 東京都「東京都帰宅困難者対策条例」 (2026-11-06 に確認)
- 東京都「東京都帰宅困難者対策ハンドブック」(令和5年3月・PDF) (2026-11-06 に確認)
- 内閣府「災害発生時における大規模な帰宅困難者等の発生への対策に関するガイドライン」(令和8年1月・PDF) (2026-11-06 に確認)
- 首都直下地震帰宅困難者等対策連絡調整会議「事業所における帰宅困難者等対策ガイドライン」(令和6年7月・PDF) (2026-11-06 に確認)
- 首都直下地震帰宅困難者等対策連絡調整会議「一斉帰宅抑制後の帰宅行動指針」(令和6年7月・PDF) (2026-11-06 に確認)