避難が遅れる心の癖|正常性バイアスと「みんなでいる」安心感、逃げる合図を先に決める(避難情報のガイドライン)

避難の呼びかけを聞いても、すぐに動けないことがあります。国の「避難情報に関するガイドライン」(令和 8 年 3 月)は、避難の負担感や、過去の経験を基準にした危険の見積もり、「自分は災害に遭わないという思い込み(正常性バイアス)」などによって、避難のタイミングを逃すことのないよう求めています。この記事では、国の資料から、避難が遅れる心の癖と、それを越えるための仕組みをまとめます。

正常性バイアス

国土交通省の豊岡河川国道事務所は、正常性バイアスを「目の前に危険が迫ってくるまで、その危険を認めようとしない人間の心理傾向」と説明しています。国のガイドラインも、この思い込みを「自分は災害に遭わないという思い込み(正常性バイアス)」と書いています。誰にでもある心の働きで、性格の弱さではありません(このサイトの考え)。

周りに合わせて、動けなくなる

同じ事務所の解説は、周りに人がいると「みんなでいる」という安心感で、緊急の行動が遅れる傾向があるとしています。周りが動かないことは、安全の証拠にはなりません。

個人の決意より、仕組みで越える

国の防災教育の会議で示された資料(矢守克也氏のメモ)は、「正常性バイアスによって避難が遅れました」という論評はもうよく、どう克服するかが大切だとし、自分にとって大切な人が心配だという「心配性バイアス」を逆に生かす方法を挙げています。国のガイドラインも、次のような仕組みを勧めています。

  • 呼びかけてもらう・呼びかける:他者からの呼びかけは避難の大きな動機になることがあるので、親戚や知人が危険な区域に住んでいるなら、電話などで避難を強く促すべきだとしています。
  • 逃げなきゃコール:スマートフォンのアプリや SMS で離れて暮らす家族の地域の防災情報を受け取り、危険が迫ったら直接電話で避難を呼びかける取り組みです。
  • 地域で声をかけ合う:ガイドラインは、地域でお互いに避難行動を呼びかけることを促すよう求めています。

「空振り」でよいと決めておく

ガイドラインは、避難した結果、何も起きなければ「幸運だった」という心構えをすることが重要だとしています。豊岡河川国道事務所の解説も、避難指示が出るまで避難しなくてよいのではない、と書いています。

逃げる合図を、先に決める(このサイトからの提案)

  • 「この情報が出たら逃げる」を家族で決めておく。目安は警戒レベル 4 までに避難です(「警戒レベルと避難情報」)。
  • 離れて暮らす親の地域の防災情報をスマートフォンで受け取れるようにし、危ないときは自分から電話する。
  • 近所の人と「出るときは声をかける」と約束しておく。

家族で決めることの全体は「家族の防災会議」へ。

ふだんは

離れて暮らす家族の地域の防災情報を、スマートフォンで受け取れるようにしておきましょう。

もしもの時は

周りが動いていなくても、決めておいた合図が出たら避難します。何も起きなければ「幸運だった」と考えます。

出典と調べた日

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