雪下ろし・除雪の事故を防ぐ|雪の死者の多くは除雪中、命綱とヘルメット、2人以上で(国土交通省の10か条)
雪の事故で亡くなる人の多くは、雪崩でも交通事故でもなく、雪下ろしなどの除雪作業中の事故で亡くなっています。消防庁の速報によると、令和 7 年 11 月から令和 8 年 4 月までの冬の雪による死者は 72 人で、そのうち 60 人が屋根の雪下ろしなどの除雪作業中、その 60 人のうち 52 人が 65 歳以上でした(交通事故と転倒は含まない)。国土交通省も、雪害による死亡事故の約 9 割は除雪作業中に起き、除雪作業中に亡くなった人の約 9 割が 65 歳以上だと整理しています。この記事では、国土交通省・消防庁・消費者庁の資料から、雪下ろしと除雪の事故を防ぐ方法をまとめます。
雪下ろし安全 10 か条(国土交通省)
- 安全な装備で行う(最重要):安全帯は、腰全体を支えるハーネス型か、体全体を支えるフルハーネス型を使う。命綱の一端は、アンカー(無い場合は雪下ろしをする屋根の反対側の柱や固定物)にしっかり固定する。ヘルメットはあごひもを締め、滑りにくい長靴で、動きやすい服装で。
- はしごは固定する
- 作業は 2 人以上で:1 人での作業は、事故が起きたときに発見が遅れる可能性がある。
- 足場を確かめる
- 雪下ろしのときは周りに雪を残す:滑りにくくするよう、雪は少し残して作業する。
- 屋根から雪が落ちてこないか注意する
- 除雪道具や安全対策の用具の手入れと点検
- 除雪機の雪詰まりは、エンジンを切ってから棒などで取り除く
- 携帯電話を身につける
- 無理はしない
国土交通省と内閣府のリーフレットによると、屋根から転落して亡くなった人のうち 60% は、1 階の屋根から落ちていました。低い屋根でも油断できません。
除雪機の事故
消費者庁によると、2014〜2023 年度の 10 年間に NITE(製品評価技術基盤機構)に通知された歩行型除雪機による死傷事故は 38 件で、そのうち死亡事故が 25 件と最も多く、事故原因の約 8 割(32 件)が、安全機能を無効にしたり周囲の確認を怠ったりする誤使用・不注意によるものでした。消費者庁は次の点を呼びかけています。
- 安全機能を絶対に無効にしない(国土交通省も、デッドマンクラッチをひもで縛るなどして無効にする事故が増えていると注意しています)。
- エンジンをかけたまま離れない。人が近くにいるときは使わない。
- 雪詰まりを取り除くときはエンジンを切り、雪かき棒を使う。
- 屋内や換気の悪い場所でエンジンをかけたままにしない。
離れて暮らす家族へ(このサイトからの提案)
- 雪下ろしは、命綱とヘルメットを着け、2 人以上で。1 人のときはしない約束をする。
- 作業を始める前と終わったあとに、家族や近所に一声かける。携帯電話を身につける。
- 体調が悪い日、疲れている日、日が傾いてからは作業しない。
- 自治体の雪下ろしの支援や、業者への依頼も考えておく。
消防白書によると、平成 22 年 11 月から令和 2 年 3 月までの 10 年間に、雪害による犠牲者は 803 人に上り、約 7 割が 65 歳以上でした。大雪のときの車の立ち往生は「大雪で車が立ち往生したら」、雪道の歩き方は「雪道で転ばない歩き方」へ。
ふだんは
雪国の家族と、雪下ろしは命綱・ヘルメット・2人以上で、1人ではしない約束をしておきましょう。
もしもの時は
大雪の続く日ほど、疲れと焦りで事故が起きます。無理をせず、自治体の支援や業者への依頼を考えます。
出典と調べた日
- 国土交通省「雪下ろし安全10箇条」(PDF) (2026-11-06 に確認)
- 国土交通省・内閣府 リーフレット「除雪は必ず2人以上で!」(PDF) (2026-11-06 に確認)
- 消防庁「今冬の雪による被害状況等」(令和8年5月12日・PDF) (2026-11-06 に確認)
- 国土交通省 審議会資料(令和7年2月・PDF) (2026-11-06 に確認)
- 消防庁「令和2年版 消防白書」雪害対策 (2026-11-06 に確認)
- 消費者庁「除雪機の事故に注意しましょう」(2024年11月26日) (2026-11-06 に確認)