被災した人の心のケア|WHOの心理的応急処置「見る・聞く・つなぐ」、「助かって良かった」は禁句、子どもの反応
被災した家族や友人、近所の人に、どう声をかければよいか迷うことがあります。世界保健機関(WHO)が 2011 年に公開した「心理的応急処置(サイコロジカル・ファーストエイド:PFA)」は、専門家でなくてもできる支え方をまとめたものです。国立精神・神経医療研究センターは、WHO 版の PFA が国際的に最も広く受け入れられているとし、日本語版を公開しています。この記事では、PFA の日本語版と厚生労働省の資料から、支え方の基本をまとめます。
「見る」「聞く」「つなぐ」
PFA の 3 つの基本的な活動の原則は、「見る」「聞く」「つなぐ」です。安全を確かめて困っている人に気づき(見る)、その人の話や必要なことに耳を傾け(聞く)、必要な支援や情報、大切な人に結びつけます(つなぐ)。
してはいけないこと(PFA から)
- 無理に話をさせない。
- 「そんなふうに思ってはいけませんよ」「助かって良かったじゃないですか」は禁句です。
- できない約束や、うわべだけの気休めを言わない。
- 自分のことは自分でできるという強さや自尊心を弱めない。
- 支える人自身の悩みを話さない。
子どもの反応
PFA は、年齢によって次のような反応があるとしています。
- 幼児:赤ちゃん返り(おねしょ、指しゃぶりなど)をしたり、保護者につきまとったりする。
- 学齢期の子ども:自分が悪いことを引き起こしたと思い込んだりする。
- 青年:何も感じなかったり、友人と違う、孤立していると感じたりする。
PFA は、子どものまわりに安定して落ち着いた大人がいれば、子どもはうまく対応していくとしています(「子どもの防災」)。
自分自身の心
厚生労働省は、被災したあとは、まず休息や睡眠をできるだけとるよう勧めています。不安や心配の多くは、時間の経過とともに回復することが知られているとも書いています。
相談できるところ
- こころの健康相談統一ダイヤル:0570-064-556(厚生労働省のページで案内。ナビダイヤルのため通話料がかかります)
- よりそいホットライン:0120-279-338(24 時間)
- 大きな災害のときは、DPAT(災害派遣精神医療チーム)が被災地で心のケアの支援をします。
つらさが長く続くとき、眠れない日が続くときは、医療機関や市区町村の保健師に相談してください。この記事は診断や治療の代わりにはなりません。
英語版の記事は「Psychological first aid after a disaster」です。
ふだんは
こころの健康相談統一ダイヤルとよりそいホットラインの番号を、スマートフォンに登録しておきましょう。
もしもの時は
被災した人には、無理に話をさせず、そばにいて必要なことを聞きます。つらさが続くときは専門の窓口へつなぎます。
出典と調べた日
- 国立精神・神経医療研究センター「WHO版 心理的応急処置(PFA)」 (2026-11-06 に確認)
- WHO「心理的応急処置(サイコロジカル・ファーストエイド:PFA)フィールド・ガイド」日本語版(PDF) (2026-11-06 に確認)
- 厚生労働省「被災地での健康を守るために」 (2026-11-06 に確認)
- 厚生労働省「まもろうよ こころ」 (2026-11-06 に確認)
- 社会的包摂サポートセンター「よりそいホットライン」 (2026-11-06 に確認)
- DPAT事務局 (2026-11-06 に確認)