噴火警戒レベルと火山灰への備え|活火山111、登山届・ヘルメット・ゴーグル、灰は流さない

気象庁によると、日本には 111 の活火山があり、そのうち 51 の火山を 24 時間体制で常時観測・監視しています。噴火警戒レベルは、そのうち 49 火山で運用されています(令和 8 年 3 月現在)。登山で火山に近づくときも、遠くの噴火で火山灰が降るときも、備えが要ります。この記事では、気象庁・内閣府・首相官邸の資料から、噴火警戒レベルの読み方と、火山灰と登山の備えをまとめます。

噴火警戒レベル

レベルキーワード住民・登山者の行動の目安(気象庁の資料から要約)発表される情報
5避難危険な居住地域からの避難が必要噴火警報(居住地域)=特別警報
4高齢者等避難警戒が必要な居住地域で、高齢者などの要配慮者の避難、住民の避難の準備が必要
3入山規制住民は通常の生活(今後の推移に注意)。状況に応じて要配慮者の避難の準備。登山禁止や入山規制など、危険な地域への立入規制噴火警報(火口周辺)
2火口周辺規制住民は通常の生活。火口周辺への立入規制
1活火山であることに留意火山活動が静穏、または噴火警報には及ばない程度と予想されるとき(噴火予報の説明。活火山であることに留意して行動する)噴火予報
  • レベル 4 のキーワードは、市町村の避難情報「高齢者等避難」とそろうよう、2021 年 12 月 16 日に変わりました(首相官邸)。レベル 1 は、2015 年 5 月に「平常」から「活火山であることに留意」に変わりました(気象庁)。
  • 気象庁は、異常が観測されずに噴火する場合もあり、レベルが必ずしも順番どおりに上がるとは限らないとしています。
  • レベルを上げるのは気象庁で、入山規制や避難指示などの対応は地元の市町村などが行います(気象庁)。

噴火の危険(気象庁)

  • 大きな噴石:おおむね 20〜30 cm 以上の、風の影響をほとんど受けずに弾道を描いて飛ぶ岩。避難までの時間の余裕がほとんどない。
  • 火砕流:速さは時速 100 km 以上、温度は数百℃に達することがある。
  • 融雪型火山泥流:雪の積もった時期の噴火では、泥流の発生を確かめる前に避難することが必要。
  • 噴火のあとの土石流:噴火後に雨が予想されるときは、川の近くや谷の出口に近づかない。

活火山に登るとき

内閣府は、2014 年 9 月の御嶽山の噴火で、水蒸気爆発が突然起き、火口の周りにいた多くの登山者が被災したことを挙げ、火山に登るときの備えを呼びかけています。

  • 登山届:登山届の制度がある火山では、必ず作って出す(内閣府)。2023 年の法改正で、登山届を出す努力義務の規定が強化されました(首相官邸)。
  • 持ち物:火山防災マップ(避難場所を確かめる)、携帯電話と予備の電池、雨具・タオル・ヘッドライト・ゴーグル(降灰対策)、ヘルメット、非常食と飲料水(内閣府)。
  • 出かける前と登山中:噴火警戒レベルと、気象庁の火山登山者向けの情報を確かめる。
  • 噴火したら:山小屋や岩陰などに一時避難し、ヘルメットとゴーグルを着け、マスクや湿らせたタオルで口を覆う。噴火が収まったら、ただちに下山する(内閣府)。気象庁の「噴火速報」は、火山名と噴火した時刻だけの情報で、受け取ったらただちに下山する、シェルターや避難小屋に退避する、近くの岩陰に隠れる、といった身を守る行動をとるよう求めています。

火山灰が降ったら

首相官邸は、火山灰は小さな石の粒の集まりで、一つひとつがとても固く、とげとげしているので、目や肺を傷つけることがあると説明しています。

  • 体を守る:防塵マスクなどで火山灰を吸い込まない。目に入ったら手でこすらず水で流す。コンタクトレンズを外して眼鏡を使う(首相官邸)。
  • 降る量の目安:気象庁の降灰予報では、降灰量が「多量」(1 mm 以上)のときは外出や運転を控え、「やや多量」のときはマスクなどで防護して徐行運転、「少量」のときは窓を閉めることが目安になっています。噴火から 1 時間以内に降る量の予想(降灰予報・速報)なども出されます。
  • 車と道路:道路に火山灰が積もると滑りやすくなり、自転車や自動車のブレーキが利きにくくなる(首相官邸)。
  • 片付け:火山灰は雨どいや下水に詰まりやすいので流さない。屋根の灰を下ろすときは、防塵マスクとゴーグルを着け、はしごを固定し、命綱とヘルメットを着けて、必ず 2 人以上で(首相官邸)。
  • 備蓄:内閣府の首都圏の広域降灰対策のガイドラインは、噴火が長引く可能性もあるので、できれば 1 週間分以上の備蓄を勧め、防塵マスクや防塵ゴーグルなどの降灰対策の用品も確保するのが望ましいとしています。富士山の宝永噴火では、噴火が 2 週間続きました。

英語版には、気象庁の英語の資料で噴火警戒レベルを紹介した記事があります:Japan's volcanic alert levels。登山の持ち物は「日帰りの登山でも持つもの」へ。

ふだんは

火山に登る前は、噴火警戒レベルと火山防災マップを確かめ、登山届を出し、ヘルメットとゴーグルを持っていきましょう。

もしもの時は

火山灰が降ったら、防塵マスクとゴーグルで体を守り、灰は排水に流さず、片付けは2人以上で。備蓄はできれば1週間分以上。

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