自主防災組織と地区防災計画|阪神では生き埋めの約8割を自助・共助で救出、全国の活動カバー率は85.9%

大きな災害のとき、最初に助け合うのは近所の人です。令和 8 年版の防災白書は、阪神・淡路大震災で生き埋めになった人の約 8 割が、家族を含む自助や近隣住民などの共助で救出されたと書いています。その共助の受け皿になるのが「自主防災組織」です。この記事では、消防庁と防災庁の資料から、自主防災組織と地区防災計画の仕組みをまとめます。

自主防災組織とは

消防庁は、自主防災組織を、地域住民の連帯意識に基づく自発的な防災組織だと説明しています。災害対策基本法にも位置づけがあり、多くは町内会や自治会を単位にしています。消防庁の手引きは、主に町内会単位を基準とする場合が多いとしています。

消防庁の地域防災室は、大規模災害のときは住民一人ひとりが「自分たちの身の安全は自分たちの手で守る」という意識を持って行動することが非常に重要だとしています。

全国の状況

令和 7 年版の消防白書によると、全国 1,741 市区町村のうち 1,697 市区町村で、16 万 7,722 の自主防災組織が設置されています。国の指標は「活動カバー率」(全世帯のうち、自主防災組織の活動範囲に含まれる地域の世帯の割合)で、同じ白書の資料の合計では 85.9% でした(令和 7 年 4 月 1 日現在)。これは「加入率」ではなく、住んでいる地域が組織の活動範囲に入っている世帯の割合です。消防庁の手引きは、地域によって結成状況に大きな差があること、リーダーなどの人材育成が進んでいないことを課題に挙げています。

令和 6 年度には、1,040 市区町村が、自主防災組織の資機材の購入費や運営費などを補助していました。始めたい、続けたいときは、市区町村の防災担当の窓口に相談できます。

地区防災計画

防災の計画には、国の防災基本計画と、都道府県・市町村の地域防災計画があります。これに加えて、平成 26 年 4 月 1 日から、地区の住民などが自分たちで作る「地区防災計画」の制度ができました。防災庁は「「あなたのまち」に災害がおきたら。そのための準備と災害時の行動計画をみんなで作ります。」と説明しています。災害対策基本法は、地区の居住者などが共同して、市町村の防災会議に地区防災計画を提案できると定めています。

防災庁の令和 7 年度の調査(全国 1,741 市町村が回答)では、地区防災計画が想定する災害は「地震」が 90.7%、「洪水・河川氾濫」が 80.3% でした。2025 年 4 月には、作り方を説明した「地区防災計画ガイドブック」が公表されています。

消防団との違い

消防団は、市町村の消防機関です。消防庁は、消防団員はそれぞれ自分の本業を持ちながら活動していると説明しています。自主防災組織は住民の自発的な組織で、消防団とは役割が違います。

まず、できること(このサイトからの提案)

  • 自分の町内会や自治会に自主防災組織があるか、回覧板や市区町村のホームページで確かめる。
  • 地域の防災訓練に一度参加し、避難場所や防災倉庫の場所を知る。
  • 家族構成や持病など、助けが必要なことを、伝えられる範囲で近所に伝えておく(「高齢の家族の防災」)。

ふだんは

自分の町内会に自主防災組織があるか、次の防災訓練はいつか、確かめてみましょう。

もしもの時は

大きな災害の直後は、近所の人どうしの声かけと助け合いが命を守ります。無理のない範囲で、周りの人の安否を確かめます。

出典と調べた日

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